今年に入ってまとまった雪が3回降ったのに除雪車が通ったのは1回だけ!なぜ!?
実際に除雪作業をしている友人に聞いてみると「10cmいかないと出動要請が来ないんだよねー」。なるほど、仮に9cm止まりの積雪だと除雪作業は行われないという事。
ちなみに友人は土木関連の会社を経営しています。除雪作業は市の職員が行っているわけではなく除雪能力を有している重機をもっている企業に要請するということ。(市の職員も出動しているかもしれませんが)
しかも、時給換算すると、とんでもなく美味しい仕事なんだとか。詳しい事は言えないけど完全に大台にのってます。時給が私の日当を超えているかも・・。「時給〇〇円だぜぇ」なんて自慢をされました。このやろー。
雪が多いシーズンは「除雪の予算が足りない〜」といった騒ぎになりますが、そもそも支払いすぎなのでは?多分、もう少し減らしても受け持ってくれる企業はあるような・・。我々の血税を大切に使ってくれよ。
まぁ、個人事業主になって税金の使い道に敏感になっているのでこの話はこの辺で。止まらなくなるので。
今回は、除雪車が出動要請される基準について調べてみました。
市町村によって基準は異なる
色々と調べてみましたが、除雪車の出動要請基準は市町村によって異なっているようです。都道府県単位ではなく市町村単位。
ただ、多くの場所で採用されているのが『10cm』という基準。分かりやすいし、交通網にも影響がでるラインなのでしょう。
その中でも除雪基準について分かりやすく記載していたのが新庄市だったので詳細を見てみましょう。
市の除雪車は、前日からの降雪量が、午前2時30分~4時30分までの間で10センチメートルを超えている場合に出動し、出勤者などが増える午前7時30分までに作業を終えるように努めています。新庄市
除雪機能が麻痺する程の雪は別ですが、確かに出勤前に除雪が終わっている事が多いですよね。「明日は大雪だー」なんて思いながら早く起きて早めに出勤しても「除雪が終わって雪が少なかった」という事は少なくありません。
新庄市の場合、4時30分までの積雪量によって出動するとなっていますが、他の市町村でも同じぐらいの基準を採用しています。夜中の積り具合に応じて出勤ラッシュまでに除雪を進める流れです。
「土日は除雪しない」といった噂もあるようですが、そういった事はありません。平日土日関係なく同じ体制で除雪が行われています。
降雪の状況については、市内北部地域・中部地域・南部地域の3か所に設けられた「積雪量感知センサー」で計測され、出動の基準を超えた場合、一斉に作業員に連絡が行く仕組みとなっています。
このため、それぞれの地域の降雪量に応じて、除雪車が出動するタイミングなどが異なる場合があります。
又、条件に至らない場合でも、今後の降雪予報等により除雪が必要になる場合は、各業者の判断で除雪作業に入ります
市の中でも地域が分割されて除雪機能が働くようです。

こちらが『積雪量感知センサー』。ここに10cm積もれば除雪車が出動するという事。
除雪してほしいからといって、センサーに雪を投げ込むのは止めましょう。間違いなく犯罪。
また、今後の積雪予想によっては10cmに満たなくても出動するようです。これも大切ですね。雪が残っている所に雪が積もるとガタガタボコボコ道路になってしまいます。
ちなみに、除雪に出動する友人は、基本的に歩道の除雪をしています。通学路になっている歩道などを除雪しているそうです。ただ、稀に道路の除雪作業も担当するそうですが、その場合は、市の除雪車を借りているようです。さすがに、本格的な除雪車を持っている企業はなかなかありませんからね。
積雪5cmで出動する地域も
10cmで出動する地域が最も多い印象でしたが、5cmで出動する地域も少なくありません。
新潟市の例が分かりやすかったので参考にします。

画像:新潟市
馴染みのない土地なのですが、おそらく、交通麻痺を起こすと都市機能が落ちてしまうような主要道路を中心として5cmの積雪で除雪を行っているのでしょう。
色々な都市を参考にしましたが、日本海側など積雪量が多いとされている地域では早め早めの除雪を行っている傾向にあるようです。
雪の多い地域は、連日雪が降り続く事も少なくありませんからね。「これぐらいの雪なら溶けるだろう」といった安易な判断をしてしまうと直ぐに交通麻痺を起こしてしまいます。
それに、事前に決められている『除雪予算』というものがあり、雪の多い地域では桁違いに大きい予算が用意されています。こういった部分も早め早めの出動を想定しているのでしょう。
積雪量以外の基準も欲しい
予算が決まっているので基準を変えるのも難しい話かと思いますが、今年降った3回の雪の内1回だけ除雪が行われましたが、他の2回も交通麻痺を起こすほどの積雪はあったんですよね。
積雪後も曇り空、3日ぐらいは通りづらいボコボコ道を走る形となりました。田んぼに車を落としている光景も2回見かけました。
こんな状態になっても除雪しないのだろうか?
雪で走りづらく事故も起きている、こういった場合は特別に出動するなどのシステムを作ってもいいのではないでしょうか。そもそも積雪量のみで出動基準が決まってしまうのは良くない気が・・。道路状況は天気によっても変わってきます。踏み固められた雪が凍って、気温が上がるとツルツルの滑りやすい道路に。路面が凍ると事故が多発しますが、追突した側にも少し同情してしまいます。
除雪作業する側も重労働
「除雪してくれ!」といった事ばかり言っても意見が偏ってしまうので除雪作業をしている友人の事故の話を。
5年程前になりますが、この地域に住んで20年、過去最高に雪が降った時がありました。その時友人は、早朝3時から除雪をする事になったそうです。しかし、雪は降り止まず、除雪しても除雪しても、また積もってしまいます。結局、食事と給油、トイレ以外はほぼ休憩なく連続で40時間近く除雪作業をしたそうです。
そして、除雪作業が終わりを迎えたのは、除雪車を田んぼに落とした時となりました。
怪我はありませんでしたが、除雪車は大きく損傷。修理費用は400万円にも及んだそうです(市の保険で修理)。
考えてみると土日を挟む場合は別ですが、基本的に前日も通常の仕事をしており、そんな中、3時から除雪作業。数時間で終わる除雪作業だったとしても連日出動したら激務となってしまいますね。「給料よくて羨ましい」とは思うけど大変な作業をこなしている事は間違いありません。
除雪はして欲しいけど、作業する側も大変だし、1回の出動で大きな予算がかかってしまうという事。
んー、やはり多少我慢しなくてはならないのかもしれません。
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